とも座 M47

M46のすぐ隣に存在しており双眼鏡ではM46とM47を見比べることができます。両者は隣り合っており同じ散開星団という分類であるというところでも同じではあるのですが、M47は不揃いな大きな星が点在しておりM46は小粒な星が集まっているという印象で全くことなる見え方をします。また中口径(10Cm)以上の望遠鏡になると色の分離も出来てくるので、M47には様々な色の星が存在していることが観察できます。

M47_2025/10/18

M47_2025/10/18

===データ===
撮影日:2025年10月18日
名称:M47
分類:散開星団
星座:とも座
等級:4.4

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とも座 M46+NGC2438

散開星団の中に更に惑星状星雲が存在するという2つの異なる性質の対象を同時にみることができる天体となります。(両者は近くに見えてはいますが、物理的には全く関係がない天体と言われています)散開星団であることからも小口径(6CM程度)の望遠鏡から楽しむことが出来る天体で、中程度の口径から空のコンディション(シーイング)が良ければ散開星団の中心付近にある惑星状星雲を確認することができます。

M46_2025/10/18

M46_2025/10/18

===データ===
撮影日:2025年10月18日
名称:M46+NGC2438
分類:散開星団(M46)/惑星状星雲(NGC2438)
星座:とも座
等級:6.4

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ろ座 Fornax-Cluster(ろ座銀河団)

ろ座銀河団は、地球から約6,000〜6,500万光年の距離に存在しており、1億光年以内の領域ではおとめ座銀河団に次いで2番目に空間密度が高い銀河団です。600個以上の銀河で構成され、主に南天のろ座の領域内に位置しています。小さな銀河の集まりのため望遠鏡で1つ1つを観測するというよりも望遠レンズや短焦点望遠鏡の直焦点撮影で銀河団全体を捉えると、渦巻型銀河や棒状銀河等様々な銀河が写ってにぎやかな写真になると思います。

用語説明)
①銀河団
→銀河団は、数百から数千個の銀河が互いの重力によって集まった銀河の集団のことを言います。
②銀河群
→銀河団よりも小規模の銀河の集団のことを指しますが具体的に銀河団と銀河群で〇以上の銀河なら等といったような定めはなく定義としては曖昧です。

Fornax-Cluster_2025/10/18

Fornax-Cluster_2025/10/18

===データ===
撮影日:2025年10月18日
名称:NGC1399等(ろ座銀河団)
分類:複数銀河
星座:ろ座
等級:-

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経緯台でも天体写真が撮れる仕組み

従来の天体写真で星雲や星団のアップの写真を撮影するとなると大口径の望遠鏡で赤道儀にて天体の動きを追尾して長時間露出(数十分から数時間)を行うというのが通常の撮影方法でしたが、スマート望遠鏡や通常の望遠鏡を使った電視観望のセット等では赤道儀ではなく経緯台という架台に載っているケースが多く露出時間も数分~数十分で素晴らしい画像が浮かび上がってきます。

経緯台というと天体の追尾ができないことから、天体写真には向かない架台と認識されていますがスマート望遠鏡や通常の望遠鏡でも経緯台でありながら天体の自動追尾機能が搭載されているものがあり従来の常識からはだいぶ変わってきました。

自動追尾が出来るとはいうものの、極軸を持っておらず上下左右の動作しかできない経緯台という仕組み上、時間経過とともに少しずつ対象の天体の角度が変わってしまうという現象は避けられませんが、スマート望遠鏡等では、この回転された画像を補正しながら下記の図のように合成していくというソフトウェア面での技術が搭載されており経緯台の特性による回転という問題を画像処理の中で解消しています。

経緯台で天体写真が撮れる仕組み

経緯台で天体写真が撮れる仕組み

実際、とらねこ天文台で使用されている画像は、Seestar S50で経緯台の状態で数分~数十分の露出で撮影した画像が大半を占めています。

ただ、経緯台での撮影であるがゆえに自動追尾して、ソフトウェア的に例えば10秒露出の画像を10分間撮って600枚の画像をコンポジットという画像処理を位置を自動で合わせながら行い合成していることから時間が伸ばせば伸ばすだけ隅に近い部分から画像劣化が見られる場合も出てきます。
それを防ぐためにはSeestar S50には赤道儀モードという機能も搭載されており設置する方法さえ工夫できれば簡易赤道儀のような使い方もでき、最大30秒の露光も可能になるのと、画像のズレも無理やり画像処理に頼らないので画像劣化もおきなくなります。

経緯台で天体写真が撮れる仕組みは、短時間で撮影した画像を何枚も用意して対象の天体の向きを補正しながら画像処理で1枚に仕上げているから可能となったということになります。

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いっかくじゅう座NGC2237_2238_2239_2246_2244(ばら星雲)

いっかくじゅう座にある、ばら星雲は発見した人の違いで同一対象に複数のNGC番号が割り当てられている天体となります。さらによく見ると散開星団(NGC2244)があり、ばら星雲自体は人間の目では見えない波長の光であることからカメラで撮影して初めて浮かび上がってきますが、散開星団の部分は眼視でも十分に観察することが出来ます。とはいうものの星雲として大きな星雲となりますので、望遠鏡でなくてもカメラのレンズでも比較的簡単に撮影することが出来ますが見えない対象であることから何度も挑戦することをお勧めします。

ばら星雲_2025/10/18

ばら星雲_2025/10/18

===データ===
撮影日:2025年10月18日
名称:NGC2237_2238_2239_2246(ばら星雲)、NGC2244
分類:散光星雲/散開星団
星座:いっかくじゅう座
等級:-

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【望遠鏡編】最低限覚えておきたい天文用語

望遠鏡を取り扱う際に必要になる基本的な用語をまとめました。購入する際にカタログ等でスペックを確認するために必要になったり、実際に使用する際にも必要になる用語となるので、望遠鏡を使う場合は、こちらの言葉を覚えておくと説明書を読んで理解することが出来るようになると思います。メーカーさん次第では細かな説明書は無しや説明書があっても専門用語については細かな説明がないこともあるので、しっかり事前知識として覚えておくと便利だと思います。

 

1.性能・光学系の用語

口径 こうけい 対物レンズまたは主鏡の有効な直径。口径が大きいほど集光力が高く、暗い星や星雲・星団が見やすくなります。
焦点距離 しょうてんきょり 対物レンズや主鏡で集められた光が一点(焦点)に集まるまでの長さ。望遠鏡の倍率を決める基本の長さです。
口径比(F値) こうけいひ(エフち) 焦点距離を口径で割った値(焦点距離 口径)。F値が小さいほど像が明るく、短時間で撮影できます(野鳥・星雲観測向け)。
倍率 ばいりつ 天体をどれだけ拡大して見られるかを示す値。倍率 鏡筒の焦点距離 接眼レンズの焦点距離 で計算されます。
集光力 しゅうこうりょく 人間の目に比べてどれだけ多くの光を集められるかを示す能力。口径の2乗に比例し、明るさに直結します。
分解能 ぶんかいのう どれくらい細かいところまで見分けられるかを表す能力。値が小さいほど性能が良く、鮮明さ(解像力)に直結します。
接眼レンズ せつがんレンズ 望遠鏡ののぞき口に取り付け、像を拡大して見るためのレンズ。交換することで倍率が変わります。
収差 しゅうさ レンズや鏡の欠陥、または光の性質によって、像がぼやけたり歪んだりする現象(例:色収差、球面収差)。
ファインダー ファインダー 目的の天体を視野に導入するために、望遠鏡の鏡筒の脇に取り付けられた小さな補助望遠鏡(または照準器)。

2.鏡筒の種類

屈折式 レンズで光を集める方式。構造がシンプルで扱いやすく、コントラストが高くシャープな像が得られますが、色収差を抑えるために口径の割に鏡筒が長くなりがちです。
反射式 **凹面鏡(主鏡)**で光を集める方式。主にニュートン式を指し、大口径化が容易で安価に作れますが、鏡の調整(光軸修正)が必要です。
カタディオプトリック式 レンズを組み合わせた方式(例:シュミットカセグレン、マクストフカセグレン)。鏡筒が短く大口径化も可能で、コンパクトです。

3.架台の種類と機能の用語

架台 かだい 鏡筒を三脚に取り付け、保持・操作するための土台(マウント)部分。経緯台赤道儀の2種類が主流です。
経緯台 けいいだい 上下(高度)と左右(方位角)の2つの軸で鏡筒を動かす方式。構造が簡単で直感的な操作が可能ですが、天体を追尾する際は上下左右の操作が必要です。
赤道儀 せきどうぎ 赤経軸(天体の東西方向)と赤緯軸(天体の南北方向)を持つ方式。極軸を天の北極(または南極)に合わせると、赤経軸を動かすだけで天体の日周運動を追尾できます。
極軸合わせ きょくじくあわせ 赤道儀を使用する際、赤経軸を地球の自転軸と平行になるよう、天の北極(北極星付近)に向ける作業。正確な追尾に必須です。
追尾 ついび 地球の自転による天体の日周運動に合わせて、望遠鏡の向きを少しずつ動かし、常に天体を視野の中心に捉え続けること。
導入 どうにゅう 目的の天体を望遠鏡の視野の中心に入れる操作。ファインダー自動導入装置が使われます。
自動導入 じどうどうにゅう コンピュータ制御により、観測したい天体の名前を入力するだけで、望遠鏡が自動的にその天体に向けられる機能。
微動装置 びどうそうち 望遠鏡の向きを少しだけ動かし、天体を正確に視野に入れるための微調整機構。

 

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【基礎編】最低限覚えておきたい天文用語集

天体観測(天体観察)を始めるにあたって最初に覚えておいた方が良いと思われる用語をまとめました。こちらにまとめたものは望遠鏡の有無等は関係なくよく出てくる言葉なので出来るだけ暗記しておいた方が星空に関する書籍等を読んだ際にも理解が深まると思います。(殆どの用語が小学校や中学校で習った言葉なので、聞いた覚えがあるという用語が多いかとは思いますが)

1.天体の種類

恒星(こうせい) 太陽のように自ら光を放つ天体。夜空に見える星のほとんどは恒星です。
惑星(わくせい) 恒星の周りを公転し、自ら光を放たない天体(光は恒星の反射光)。地球や火星、木星など。
衛星(えいせい) 惑星の周りを公転する天体。月は地球の衛星です。
彗星(すいせい) 太陽の周りを楕円軌道で周回する小さな天体。太陽に近づくと氷や塵が蒸発してが見えることがあります。
小惑星(しょうわくせい) 主に火星と木星の軌道の間にある、岩石質の小さな天体。
星雲(せいうん) 宇宙空間に漂うガスや塵が比較的濃く集まって雲のように見えるもの。光を放つ散光星雲、光を遮る暗黒星雲などがあります。
星団(せいだん) 多数の恒星が重力で集まった集団。形によって散開星団(まばら)や球状星団(球状)があります。
銀河(ぎんが) 多数の恒星、ガス、塵、暗黒物質が重力でまとまった巨大な天体。私たちが住む天の川銀河も銀河の一つです。

2.位置と動きに関する用語

天球(てんきゅう) 観測者を中心として、すべての天体があたかも貼り付いているかのように見える、想像上の巨大な球。
日周運動(にっしゅううんどう) 地球の自転により、天体が1日に1回、東から昇って西に沈むように見える見かけの動き。
年周運動(ねんしゅううんどう) 地球の公転により、太陽が星座の中を1年で一周するように見える見かけの動き。
地平線(ちへいせん) 地面と空の境界線。
天頂(てんちょう) 観測者の真上の点。
南中(なんちゅう) 天体が子午線(しごせん: 北から天頂を通り南へ結ぶ線)を通過し、その日の最も高くなる位置にきた時。
衝(しょう) 外惑星(火星、木星など)が地球から見て太陽と正反対の方向に来ること。この時、惑星は一晩中見え、観測に適しています。
合(ごう) 惑星が地球から見て太陽と同じ方向に来ること。観測は困難です。内惑星(水星、金星)には内合外合があります。
食(しょく) 一つの天体が別の天体の陰に入って見えなくなる現象。例として、月食(地球の影に月が入る)、日食(月が太陽を隠す)など。
星食(せいしょく) 月が背景の星を隠す現象。
近日点(きんじつてん) 楕円軌道上の天体が、太陽に最も近づく点。遠日点は最も遠ざかる点。

3.明るさに関する用語

等級(とうきゅう) 天体の明るさを示す単位。数字が小さいほど明るく、肉眼で見える限界はおおよそ6等級です。0等級より明るい天体はマイナスで表されます(例: シリウスは-1.44等級)。
光年(こうねん) 光が1年間に進む距離。約9兆5000億キロメートルで、宇宙の距離を示す単位として用いられます。
光害(ひかりがい) 都市の照明など人工の光が夜空を明るくし、星が見えにくくなる現象。
シーイング 大気のゆらぎによって、天体の像がぶれたりぼやけたりして見える現象。

 

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スマート望遠鏡について

ここ数年で、望遠鏡の革命とも呼べるスマート望遠鏡というものが存在しています。

このスマート望遠鏡という概念は簡単に説明すると、望遠鏡の接眼レンズを覗く肉眼での眼視を捨てて、CMOSセンサーによる撮影に特化した撮影に必要な機能を一つの機器にコンパクトに搭載したオールインワンの機械となります。

前回の記事で説明したような電視観望(ライブスタック)にも対応でき、気軽にスマトフォンの画面で天体導入から撮影、編集まで全ての機能を有しています。

M31_2025/08/21

M31_2025/08/21

20年前に上記のようなM31を撮影しようと思うと、それこそ撮影に一晩粘って撮影を行い、画像処理に何時間もパソコンとにらめっこして画像を作るというのが当たり前でしたが、スマート望遠鏡ではライブスタックの画像を見ながら数十分間少しずつ浮かび上がってくる画像を楽しみながら納得のいく出来栄えになったら保存するというような操作だけで綺麗な画像を撮影することができます。

私の使っているZWO社のSeestar S50という機種の仕様は下記のとおりです。

項目 仕様
光学系
対物鏡有効径 50 mm
焦点距離 250 mm
口径比 (F値) f/5
レンズ構成 3枚玉アポクロマート光学系
イメージング
センサー Sony IMX462 (カラーCMOS)
解像度 1920 x 1080 ピクセル
視野角 1.48°
機能
架台タイプ 経緯台式 (Alt-azimuth)
自動機能 オートフォーカス、GoTo、自動アライメント、自動追尾
撮影モード 星空モード(ディープスカイ)、風景モード、ソーラーモード(太陽)、ルナーモード(月)
内蔵ストレージ 64 GB
接続性
通信 Wi-Fi (5G/2.4G), Bluetooth 5.0, USB Type-C
電源
バッテリー容量 6000 mAh
駆動時間 約6時間 (フル充電時)
電源入力 USB Type-C
サイズ・重量
本体サイズ (H×W×D) 約 257 × 142.5 × 130 mm
本体重量 (ネット) 2.5 kg
その他
動作温度 0~40 ℃ (推奨)
付属品 専用三脚、専用太陽フィルター、USB Type-Cケーブル、耐衝撃ケースなど

小口径(5cm)とはいえ3枚玉アポクロマートレンズを使ってる時点で通常の望遠鏡であれば、鏡筒だけで10万円以上の出費となり、自動導入装置も経緯台タイプで安価なものでも5万円前後ぐらいは最低限掛かってしまします。これに安価なCMOSカメラを2-3万円で組み込んで、画像処理ソフトはパソコン上のフリーソフトで構成したとしても合計で20万円近くの機材となってしまいます。それをスマート望遠鏡はコンパクトにオールインワンにうまくまとめてくれて10万円以下で販売されているので価格的にも半分以下のコストで、綺麗に撮影できるわけですから非の打ちようがないぐらいに正直すごいと思います。

当然、小口径なので星団や惑星や月では力足らずの部分も否めませんが、この価格でかつ操作も簡単で図鑑等に掲載されているような写真が簡単に撮影できてしまいますので写真撮影を始める方には丁度良いのかなと思います。
前の記事でも触れていますが、完全な入門者としては肉眼による眼視で楽しむことを覚えてほしいと思いますので、最初の1台目としてはオススメしませんが、次のステップで天体写真を始めたいという方には大変オススメです。

M16_20250720

M16_20250720

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社会人の天文ライフ

小型望遠鏡とスマート望遠鏡を手に入れてからというものの、天文ライフは大幅に向上しました。
基本的に社会人の方はみんな昼間は仕事をして帰宅したらぐったりで夜中に望遠鏡を使って星でも見ようという気力は起きてこず、原則土曜日の夜晴れたら見ようという感じになってくると思います。
私自身もさすがに平日の夜中に帰宅してから何十KGもあるような望遠鏡を引っ張り出してというのは正直なかなか厳しく、もっと気軽に楽しめないか試行錯誤し、この悪循環を断ち切るために、2つの望遠鏡を手に入れました。

1.初心者向けのセット望遠鏡
 スカイウォッチャー製のスタクエスト80(小型赤道儀付き8CM屈折望遠鏡)
 ※廃番になっていますが、処分価格で2~3万円ぐらいの本当に初心者向けです
 この初心者向けの望遠鏡が思いの外良い仕事をしてくれていて、寝室にドドーンと組み立てた状態でおいているので、晴れた夜空となったら数秒でベランダに出して観測スタートという感じで、気軽に観測をスタートすることが出来ます。赤道儀式といっても厳格な曲軸合わせや自動導入装置などがあるわけでもないので、概ねの北へ向けて、35度の角度に向けるだけです。まぁ、追尾精度を求めるものでもない眼視専用で気軽に土星や木星、月等を見るために使っています。

2.スマート望遠鏡
 ZWO製のS50というスマート望遠鏡を手に入れてから、平日の夜間の観測は手軽に眼視はスタークエスト80で、天体写真はZWO S50という使い分けになっています。スマート望遠鏡は小型で気軽に水平になるように置くだけでスマホでポチポチするだけで天体を導入してくれて撮影も殆どオートで撮影できます。もともと電視観望での用途なので、ハードウェアに内臓された画像処理をAI機能で処理してくれて、短時間でも素晴らしい写真を出してくれます。
ただ、スマート望遠鏡は小型であるが故に、小口径の望遠鏡となるため星雲や星団は素晴らしい画像になりますが、土星や木星は物足りなさが残ることから、惑星の撮影にはもう少し大型の望遠鏡を使っています。
スマート望遠鏡は1台でそこそこの欲求までは殆どこなしてくれます。ただ、やはり不得手な部分がところどころあることからも通常の望遠鏡を使用した撮影の方が確実に良いのですが、特性を考えながら活用することはベテラン層の方でも納得できるのではないか?と思います。
※スマート望遠鏡については曇り空が続いていることからも写真コレクションがなかなか増えないため後日どのようなものかについて公開したいと思います。

この2つの望遠鏡は本当に日常使いに良いと思います。ものの数秒~数分で観察を始められるというのは口径や光学性能だけでは語れない、その気軽さこそポテンシャルといえます。

社会人の方で、天文趣味の方であれば、この2つの機材のポテンシャルを充分にご理解いただけると思います。
なので、「はじめての望遠鏡の選び方」で掲載したような望遠鏡は、ベテランになっても日常使いに充分使えるということとなります。

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電視観望の考察

1.電視観望と天体写真とは?
近年、天体観測(天体観察)の一種の形態として、望遠鏡にCMOSカメラ(天体用)のものを使用して、ライブスタック(メーカーによって様々な呼び名がありますが)機能を利用して短時間で撮影した写真をリアルタイムに合成していき、接眼レンズを通して観察するのではなくCMOSカメラの画像を合成することで、天体の画像をスマートフォン等の画面で観察するという電視観望(EAA)というものがあります。
従来の天体写真では高価な撮影機材を使って長時間の撮影を行って、持ち帰ったデータを画像処理ソフトを使って補正をしてと1枚の写真を撮影するのに大変な手間暇をかけて1つの作品として仕上げるといった作業を行ってきました。
電視観望と天体写真をAIで表にしてみた結果は下記のとおりとなり、天文雑誌の記事等でも殆ど同様の回答になると思います。

項目 電視観望(EAA) 天体写真(Astrophotography)
主な目的 その場で、肉眼より鮮明な天体像をモニターでリアルタイムに近い感覚で観察・共有すること。 芸術的な写真作品として、長時間露光と画像処理により、肉眼では見えない細部や色を追求すること。
露出時間 短い露光(数秒〜数十秒)の画像を多数撮影し、その場で重ね合わせる(ライブスタック)。 長い露光(数分〜数十分)の画像を多数撮影する。
画像処理 観察中にリアルタイムでノイズ低減(ライブスタック)と簡易な強調処理を行う。 撮影後にPCで時間をかけて詳細な画像処理(スタッキング、強調、色調整、ノイズ除去など)を行う。
機材の要求 比較的小型・安価な望遠鏡と高感度CMOSカメラでも楽しめる。高度な赤道儀追尾精度は必須ではない。 非常に高い追尾精度を持つ頑丈な赤道儀、ガイド鏡、冷却カメラなど、高価で大型な機材が必要となることが多い。
所要時間 天体導入から画像表示まで短時間(数分程度)で完了する。 撮影に数時間、撮影後の画像処理にさらに数時間〜数十時間かかることもある。
主な成果 モニターに表示される「ライブ」の天体像の共有。 完成された高精細な静止画像(作品)。
魅力 手軽さ、時短、多人数での共有、都会でも淡い天体が見える感動。 芸術性、最高のディテールと色合いの追求、一つの作品を完成させる達成感。

簡単に要約すると短時間で天体を撮影しリアルタイムにライブスタックし徐々に天体を見えるようにしていき眼視では見えないようなものまで見えるようにしていくのが電視観望で、長時間露光でじっくりと撮影をして作品として高画質な写真に仕上げていくのが天体写真ということになります・・・。

2.ん?ちょっと待てよ?
電視観望と天体写真の違いは、もっと単純にいうとAI等の技術を駆使してライブスタックを自動化したもので、天体写真は長時間露光でじっくりと芸術作品に・・・この説明に違和感を覚えたのは私だけではないと思います。

そうなんです。

天文雑誌などの記事は「電視観望=眼視観望の変わり」というイメージに強引に持っていこうとしているような気がします。電視観望の目的は確かにリアルタイムで少しずつ浮かび上がってくる星雲や星団の姿を楽しむこともありますが、最終的に出てきた映像を保存した途端に、「電視観望=天体写真」となるということになり、さらに電視観望自体の目的が綺麗な像が得られるまで「何十分でも待つ」ということになりますから、実は「眼視の変わり」ではなく「天体写真の一種」ということが正しい理解だと考察します。

実際のところ現代における「天体写真」の機材も電視観望と同じ「CMOSセンサー」を使った撮影となります。そして、そこで使われる技術も殆ど同じ技術を用いて撮影を行っています。ただ、電視観望で使用される機材が大口径の望遠鏡ではなく小型の望遠鏡で処理をしているということで気軽に始めることができるということぐらいしか実際は違いはありません。(星夜写真という通常の広角レンズを使って天の川と風景を一緒に撮影したりということも含めいろいろ手法はありますが)

3.そもそも眼視とは?
書いて字のごとく眼視とは目で見ることです。望遠鏡を使わず夜空を見上げて星座を探しことも、望遠鏡や双眼鏡の接眼レンズを覗くことも眼視となります。明るい対象であれば、眼視でも発見できる星雲星団や、土星や木星や月の姿などは画像では味わえないものがあります。あくまでも肉眼で見ることが目的であり電子的に作られた映像をみるものとは少し違う位置づけではないでしょうか?

4.結論
電視観望は、撮影と同時進行で画像処理を行いながら処理の経過の映像も楽しめるという仕組みのことで、決して眼視の一種ではなく天体写真の一種であるというのが私なりの結論となります。
なので、「はじめての望遠鏡選び」ではスマート望遠鏡等のハイテク望遠鏡ではなく、眼視での観察に重きをおいて、探す楽しみ、肉眼で確認する楽しみに特化した機器を選定しています。

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