【基礎編】最低限覚えておきたい天文用語集

天体観測(天体観察)を始めるにあたって最初に覚えておいた方が良いと思われる用語をまとめました。こちらにまとめたものは望遠鏡の有無等は関係なくよく出てくる言葉なので出来るだけ暗記しておいた方が星空に関する書籍等を読んだ際にも理解が深まると思います。(殆どの用語が小学校や中学校で習った言葉なので、聞いた覚えがあるという用語が多いかとは思いますが)

1.天体の種類

恒星(こうせい) 太陽のように自ら光を放つ天体。夜空に見える星のほとんどは恒星です。
惑星(わくせい) 恒星の周りを公転し、自ら光を放たない天体(光は恒星の反射光)。地球や火星、木星など。
衛星(えいせい) 惑星の周りを公転する天体。月は地球の衛星です。
彗星(すいせい) 太陽の周りを楕円軌道で周回する小さな天体。太陽に近づくと氷や塵が蒸発してが見えることがあります。
小惑星(しょうわくせい) 主に火星と木星の軌道の間にある、岩石質の小さな天体。
星雲(せいうん) 宇宙空間に漂うガスや塵が比較的濃く集まって雲のように見えるもの。光を放つ散光星雲、光を遮る暗黒星雲などがあります。
星団(せいだん) 多数の恒星が重力で集まった集団。形によって散開星団(まばら)や球状星団(球状)があります。
銀河(ぎんが) 多数の恒星、ガス、塵、暗黒物質が重力でまとまった巨大な天体。私たちが住む天の川銀河も銀河の一つです。

2.位置と動きに関する用語

天球(てんきゅう) 観測者を中心として、すべての天体があたかも貼り付いているかのように見える、想像上の巨大な球。
日周運動(にっしゅううんどう) 地球の自転により、天体が1日に1回、東から昇って西に沈むように見える見かけの動き。
年周運動(ねんしゅううんどう) 地球の公転により、太陽が星座の中を1年で一周するように見える見かけの動き。
地平線(ちへいせん) 地面と空の境界線。
天頂(てんちょう) 観測者の真上の点。
南中(なんちゅう) 天体が子午線(しごせん: 北から天頂を通り南へ結ぶ線)を通過し、その日の最も高くなる位置にきた時。
衝(しょう) 外惑星(火星、木星など)が地球から見て太陽と正反対の方向に来ること。この時、惑星は一晩中見え、観測に適しています。
合(ごう) 惑星が地球から見て太陽と同じ方向に来ること。観測は困難です。内惑星(水星、金星)には内合外合があります。
食(しょく) 一つの天体が別の天体の陰に入って見えなくなる現象。例として、月食(地球の影に月が入る)、日食(月が太陽を隠す)など。
星食(せいしょく) 月が背景の星を隠す現象。
近日点(きんじつてん) 楕円軌道上の天体が、太陽に最も近づく点。遠日点は最も遠ざかる点。

3.明るさに関する用語

等級(とうきゅう) 天体の明るさを示す単位。数字が小さいほど明るく、肉眼で見える限界はおおよそ6等級です。0等級より明るい天体はマイナスで表されます(例: シリウスは-1.44等級)。
光年(こうねん) 光が1年間に進む距離。約9兆5000億キロメートルで、宇宙の距離を示す単位として用いられます。
光害(ひかりがい) 都市の照明など人工の光が夜空を明るくし、星が見えにくくなる現象。
シーイング 大気のゆらぎによって、天体の像がぶれたりぼやけたりして見える現象。

 

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