アンドロメダ座 M31/M33/M110(アンドロメダ銀河)

天文雑誌やパンフレット、広告にいたるまで、全天体の中でも土星や木星の写真と同じぐらいの出現率のM31(アンドロメダ銀河)を案内します。少し離れた画面の左上にうっすらとM110も同じ視野にギリギリですが移っています。

地球が存在している天の川銀河もアンドロメダ銀河も同じような形状をしているといわれておりましたが現在の研究では、アンドロメダ銀河は棒状銀河であり核も2つある等、天の川銀河とは似ているようで似ていない形状であるといわれています。

お隣さんの銀河であることから比較的大きく見えることから、目の良い人であれば肉眼でも存在に気付くことが出来ます。双眼鏡や望遠鏡で見たときには、うっすらと靄のように見える感じですが、肉眼でも確認ができる貴重な銀河になります。

M 31 2025/07/10

M 31 2025/07/10

===データ===

撮影日:2025年7月10日

名称:M31/33

分類:渦巻銀河

星座:アンドロメダ座

等級:4.3

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ヘルクレス座 M13(球状星団)

全天一美しいと評される、ヘルクレス座のM13球状星団です。

双眼鏡でもボンヤリとした姿をとらえることができ、小口径の望遠鏡を使うと星が分離して球状星団であることが分かるぐらいに25,100光年~離れた場所にあるとは思えないぐらいに見ごたえのある球状星団です。写真においても、下記の写真は5分にも満たないような短時間の露光でも、これだけの星の姿をとらえることが出来ることから、図鑑でみたままの世界観が拡がるといった表現が正しいぐらいに美しい球状星団です。

M13 2025/06/28

M13 2025/06/28

比較的明るい星団であることからも、町明かりから離れた郊外であれば肉眼でもボンヤリとした姿を確認することが出来ることから、自動導入装置が無くても比較的望遠鏡の視野に収めることが容易に可能な天体です。また眼視でも星に分離して球状星団らしい姿を確認することが出来ることから、初めての天体観測でも星図を頼りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

===データ===

撮影日:2025年6月28日

名称:M13

分類:球状星団

星座:ヘルクレス座

等級:6.4

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2025年7月の星空

1. 夏の星座と天の川

  • 夏の大三角: こと座のベガ(織り姫星)、わし座のアルタイル(彦星)、はくちょう座のデネブを結んでできる「夏の大三角」が、日が暮れると東の空に見え始め、夜遅くには南の空高くに昇ります。特に天の川を挟んで輝くベガとアルタイルの美しさは、夏の夜空最大のハイライトです。
  • さそり座・いて座: 南の空には、赤い1等星アンタレスが輝くさそり座や、南斗六星が特徴的ないて座が見頃を迎えます。
  • 天の川: 梅雨が明け、空気が澄んでいれば、夏の大三角からさそり座にかけて、淡く輝く天の川が肉眼でも見えるチャンスがあります。特に新月前後の月明かりがない時期(7月25日頃の新月前後)がおすすめです。

2. 惑星の接近と見え方

  • 水星: 7月4日に東方最大離角を迎え、日の入り後の西北西の低空で観測チャンスがあります。双眼鏡を使うとより見つけやすくなります。
  • 金星: 月末にかけて未明から明け方の東の空で見え、非常に明るく輝きます。7月13日頃にはヒヤデス星団と接近、14日頃にはアルデバランと接近します。
  • 火星: 日の入り後の西の空に見え、28日、29日には細い月と接近して見られます。これは今年最後の火星と月の共演となるため、見逃せません。
  • 土星: 日付が変わる前に東の空に昇ってきます。24日には月と大接近し、25日には土星食も起こります。環の傾きが一時的に少し大きくなるので、望遠鏡をお持ちの方は環の観察がおすすめです。また、近くに海王星も見えます。

3. 流星群

  • みずがめ座δ南流星群: 7月30日~31日頃に極大を迎えます。25日の新月後で月明かりの影響がほとんどなく、観測には良い条件となります。未明から明け方が観測チャンスで、1時間あたり約15個ほどの流星が期待できます。
  • やぎ座α流星群: 同じく7月30日~31日頃に極大を迎えます。

4. その他の注目イベント

  • 7月7日(七夕): 織り姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)が天の川を挟んで輝く姿を楽しめます。
  • 7月11日(満月): 「バックムーン」と呼ばれる満月が見られます。
  • 冥王星の衝: 7月25日頃は冥王星を観察する絶好の日となります。ただし、非常に暗いため望遠鏡が必要です。

観測のポイント

  • 新月前後: 月明かりがない新月前後は、天の川や流星群など淡い天体を見るのに最適です。
  • 暗い場所へ: 街明かりの少ない場所ほど、より多くの星や天の川を見ることができます。
  • 早めの準備: 天体観測には、レジャーシートや防寒具、懐中電灯(赤い光だと目が暗闇に慣れやすい)、双眼鏡や望遠鏡などがあると便利です。
  • 星図アプリの活用: スマートフォンアプリの星図などを活用すると、見たい星座や惑星を簡単に見つけることができます。

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※今月の星空はGoogle Geminiにて生成しています。

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はくちょう座 NGC6888 & IC5146

天の川といえば、真っ暗な星空の中に浮かび上がる夏の風物詩ですが、はくちょう座の周辺には目視では厳しいですが、写真で撮影すると幾つかの星雲が浮かび上がります。

人間の目は概ね6等級程度までの星を見ることができ、望遠鏡や双眼鏡を使うことで、それよりも暗い星も確認することができます。これらの星雲は7等級台であることから頑張れば見えるかも?と思われますが、人間の目は赤色の光を感じにくいといことからも殆どの人がその姿を目視では中々確認できないかと思います。(見えるという報告も多いですが、おそらくほとんどの人は確認は難しいかと思います)

①NGC6888(三日月星雲)

NGC6888 2025/06/29

NGC6888 2025/06/29

撮影日:2025年6月28日

名称:NGC6888 (三日月星雲)

分類:散光星雲

星座:はくちょう座

等級:7.4

②IC5146(まゆ星雲)

IC5146 2025/06/29

IC5146 2025/06/29

撮影日:2025年6月28日

名称:IC5146 (まゆ星雲)

分類:反射星雲

星座:はくちょう座

等級:7.2

今回10分程度の露出でしか撮影していないので、本当に薄く撮れておりますが、もっとクッキリと撮ろうと思うと30分~1時間程度の露出をしないと浮かび上がりにくいのかもと思います。(今度挑戦してみます)

このような天体写真は難しそうに感じますが、実は手元のデジタル一眼レフカメラ/ミラーレス、コンパクトデジカメ等で三脚に固定して標準レンズで空の状況を見ながら数十秒の露光を行うだけでも意外と存在が確認できる程度には撮影できます。高価な機材を購入する前に手元のカメラだけで、夜空を撮影してみるのも楽しいかと思います。多少凝ったものでもPENTAXのアストロトレーサー等を使うと135mmや200mm程度の中望レンズでも赤道儀を使用することなく追尾できるようになるので空の状態にもよりますが星雲・星団の撮影も気軽に始めることができるので、この夏、是非チャレンジしてみて頂ければと思います。

 

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こぎつね座 M27/NGC6853(亜鈴状星雲)

鉄亜鈴(てつあれい)に形状が似ているということで、亜鈴状星雲と呼ばれとぃます。地球からは1235光年の位置にあり、今も成長(拡大)を続けている星雲です。

天文の歴史の中でも、M27は最初に見つかった惑星状星雲ということもあり、双眼鏡や小口径の望遠鏡(8CM程度)でもその姿を容易に確認することが出来ます。

M27 2025/06/28

M27 2025/06/28

小口径でも十分に楽しめる貴重な天体ですが、写真で撮影すると細かなところまで見えてくるので眼視だけではなく写真撮影や電視観望でもお勧めの天体です。

===データ===

撮影日:2025年6月28日

名称:M27/NGC6853 (亜鈴状星雲)

分類:惑星状星雲

星座:こぎつね座

等級:7.4

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こと座 M57(リング星雲・ドーナツ星雲)/思い出の星雲

小学生のころ、自宅の庭で10CMの反射望遠鏡で初めて土星や木星等の惑星や太陽や月等のわかりやすい対象以外で星図と赤道儀の目盛環を頼りに導入に成功した記憶のある、個人的に思い入れのある、こと座のM57(リング星雲、ドーナツ星雲)を紹介します。

M57 2025/06/28

M57 2025/06/28

この星雲は有名なので、天文雑誌や天文台等では写真を結構みかけるのですが、実際は小さな星雲なので望遠鏡を使う場合でも比較的高倍率である100倍以上の倍率で観察することになります。ただ、星雲の中では比較的明るい分類の星雲ですので、8CMや10CM程度の望遠鏡でも、結構はっきりとリング状になっていることが確認できます。(個人的には肉眼で見た映像と写真で見た映像があまり変わらない珍しい星雲という印象で、初めて星雲を観察するなら個人的に夏であればM57を頑張って探してみるか冬であればM42が眼視で見たときでも写真に負けないぐらい大変綺麗なのでお勧めしたい天体です)

地球から2600光年の位置にあり、太陽のような恒星が最後に超新星にはならずに自らを構成するヘリウム等のガスを宇宙に解き放ってできたもので青色がヘリウム、緑色が酸素、赤色が窒素や水素の輝線スペクトルで構成されており、綺麗なリング状になっています。

===データ===

撮影日:2025年6月28日

名称:M57 (リング星雲、ドーナツ星雲)

分類:惑星状星雲

星座:こと座

等級:8.8

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太陽の黒点観察(2025年6月22日ー28日)

第一回目のBLOG記事は一番二番を争うぐらいに身近な天体である太陽の観察を行ってみました。

6月22日、6月23日そして1週間後の6月28日に撮影した太陽の写真を並べてみました。ここで注目したいのが、黒点の位置の移動と形の変化等です。

太陽の自転周期は地球よりも遥かに長く約25日で1回転することから、地球から観察した場合、黒点はゆっくりと移動していくことが分かります。太陽は自転周期が25日あることから1日1日では少しずつ動いているのでわかりにくいですが、下記の写真のように1週間後の写真で見ると大きく動いていることが分かります。また、黒点は形を少しずつ変化していっており黒点が新しく生まれたり消滅したりする現象も確認できます。

①6月22日の黒点

SUN 2025/06/22

SUN 2025/06/22

②6月23日の黒点(次の日)

SUN 2025/06/23

SUN 2025/06/23

③6月28日の黒点(1週間後)

SUN 2025/06/28

SUN 2025/06/28

【豆知識】

(A)黒点が黒く見える理由
太陽の光球の表面温度は約6000℃ですが、黒点の部分は約4000℃と周囲よりも温度が低いため暗く見えます。(実際には光っています)
(B)黒点の正体と発生メカニズム
太陽内部で発生した磁力線が、特定の場所に集中し、太陽表面に浮上してきます。 浮上してきた非常に強い磁場は、周囲のプラズマの対流運動を妨げ、太陽内部から表面へ熱が運ばれにくくなります。その部分だけ周囲よりも温度が下がり、暗い点、つまり黒点として観測されます。
(C)太陽活動周期(黒点周期)
約11年の周期で増減を繰り返しています。※太陽の活動が活発になれば黒点の数が増えます。

【コメント】

このように身近な天体である太陽を観察しても毎日異なる表情を楽しめます。もちろん晴れた日であれば天体観察は昼でも夜でもいろいろ観察するものがあります。

よく本に載っているプロミネンスの写真はないのか?となりそうですが、光の波長でプロミネンスを観察するためには特殊な機材が必要となり、一般的な機材では観察はできません。(用途限定で大変高価なので・・・)

小学生のお子さんの夏休みの自由研究で毎日太陽の黒点を追いかけていくというのもよいと思います。※太陽を直接目視すると失明の恐れがありますので、必ず望遠鏡にソーラーフィルターを装着したり太陽投影板を使う等、安全に観察するようにお願いします。

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