実は双眼鏡は良く見える

双眼鏡というと、遠くの景色や鳥等の観察で使うことが多く昼間使用するものというイメージが強いかと思います。
しかし、天体観察において双眼鏡は観察対象によっては望遠鏡でみるよりも良く見えることがあります。

これまでに何度か書いていたのですが、星雲や星団は低倍率で観察することが多いのですが、これには理由があります。
星雲や星団は小さな対象のように思われがちですが、見掛けの大きさとしては実は月と同じぐらいの大きさで見えている対象が多く、暗い対象であることから見掛けも小さいと感じられるということです。人間の肉眼で観察できるのが概ね6等級と言われていますが、双眼鏡や望遠鏡を使用することで暗い天体でも光を多く集めて凝縮することによって肉眼だけでは見えなかったような暗い星まで見えるということになります。
当然、土星や木星等の太陽系の惑星は米粒のように小さな見掛けとなりますから高倍率での観察が必須となることから望遠鏡に分がありますが、星雲や星団等の観察はさほど高倍率を必要としない対象が多く、むしろ低倍率の方が全体を見ることが出来る対象が多いことが双眼鏡でも充分に愉しめるというか双眼鏡の方が条件がよくなるというケースもあります。

「実双眼鏡は良く見えます」という理由は、入門向けの6Cmの口径の望遠鏡と5Cmの口径の双眼鏡では高額性能としては同じような構造をしているのでさほど大きな違いはありませんが、人間は本来、両方の目を使って脳内で情報を統合していることから双眼鏡で両眼を使うと、片目で観察する望遠鏡と比較すると、解像度が上がり、奥行きをとらえやすくなることから望遠鏡で見ると暗い・分かりにくいといった対象でも双眼鏡では人間自身の持つ画像補正のようなものが脳内で合成されるのでしっかりと見ることが出来るということになります。

また望遠鏡においては低倍率を確保したとしてもせいぜい20倍程度が限界なのに対し、双眼鏡は元々7~8倍というものが多いことから、低倍率を確保できることからも、望遠鏡よりも双眼鏡の方が濃縮された光を見ていることから両目で見ていることも相まって明るく見えるということになります。

天文マニアの方であれば、「じゃぁ、望遠鏡を2台ならべて両目で見たら惑星なんかもよく見えるんじゃないか?」ということで、望遠鏡を2個並べて両目で見える大型で高倍率の出せる双眼鏡を作ってみたり、光学メーカーからも光を分配して望遠鏡につける双眼装置等も市販されており、双眼鏡で得られる人間の脳内画像補正を活かした観察ができ、実際望遠鏡を単体で見るよりも双眼装置等を使用した方が良く見えますが、当然価格もグンと上がってしまうことから「お金に余裕があるのであれば」という感じのものとはなりますが、そういう観察方法も存在しています。
 

特徴 双眼鏡 天体望遠鏡
得意なこと 星座の観察、天の川、風景、動くもの 月のクレーター、惑星の輪、遠くの銀河
見え方 正立(そのまま)で広く明るい 倒立(上下逆)が多く、狭く拡大される
手軽さ 出してすぐ見られる。持ち運び楽 設置や光軸調整、三脚が必要

 
初めての方が「星空の美しさ」を実感したいなら、まずは7倍〜10倍程度の双眼鏡から始めるのが一番の近道です。
 

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