天体カタログ(M,NGC,IC等)について

天体観測をはじめるにあたって当サイトでも使用しているように天体にM**、NGC****等といった記載をよく見かけると思います。それぞれに歴史はあるのですが、ここでは歴史はあまり触れずに各天体カタログについて比較して記載します。

特徴 メシエカタログ (M) NGCカタログ (NGC) ICカタログ (IC)
作成者 シャルル・メシエ ジョン・ドライヤー ジョン・ドライヤー
時期 18世紀後半 1888年 1895年 (I), 1908年 (II)
目的 彗星と紛らわしい天体のリスト ハーシェルカタログの拡張と体系化 NGCの追補、特に写真発見天体の収録
天体数 110個 7,840個 約5,386個 (I+II)
明るさ 比較的明るく、小型望遠鏡でも見やすい 中程度~暗い天体も含む NGCよりもさらに暗い天体も含む(写真観測主体)
重複 NGCやICと重複する天体もある メシエ天体の多くを含む メシエ、NGCと重複する天体もある
番号順 発見・記録順 赤経順 赤経順
現在の利用 アマチュア天文家にとって特に人気が高い アマチュア・プロ問わず、最も広く使われる NGCと合わせて参照されることが多い

上記の表のような特徴が各々の天体カタログにはあり、実際天文雑誌や天文系のサイトでも、この符号をつけて各天体を識別しています。これ以外にも干潟星雲等の愛称がつけられているような天体もありますが、そのような天体でもしっかりと上記の符号はついています。

簡単にいってしまうとM(メシエカタログ)で表記がある天体は一般向けの小口径の望遠鏡や双眼鏡でも存在の確認がしっかりとできる天体が集まっているカタログという認識でよいと思います。

M(メシエカタログ)を作った人物である天文学者のシャルル・メシエが彗星観測を行う際に彗星と見分けるために作ったカタログでシャルル・メシエ自身も大きな望遠鏡ではなく10CM前後の望遠鏡で観測されていたことから小口径の望遠鏡等においても観測しやすい天体が集められています。

NGCやIC等のカタログは、M(メシエカタログ)よりも、より暗い天体(写真でしか確認できないようなものまで)入っていることから、明るい天体は観測可能なものもありますが殆どのケースにおいて眼視で観測することが困難なものが多いです。(自動導入装置等の技術を駆使して天体の導入自体は難しくはありませんが、そこに存在しているのかが眼視で確認できるかは別の話となります)

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