自動導入装置は必要か?

10-20年前には高値の花であった自動導入装置もSky-Watcher社製のAZ-GTIやEQシリーズのGOTO赤道儀等、頑張れば手が届くぐらいの価格帯で入手できるようになりました。
ZWO社製のSeestar S30/50等のスマート望遠鏡という新たなジャンルの製品等は自動導入装置とCMOSカメラと撮影用のレンズがバランスよく組み込まれており、小口径の望遠鏡でも気軽に天体観察と天体写真のよいとこどりのような電子観望も気軽に楽しめるようになりました。

自動導入装置は必要か?

その問いかけに対しては、肉眼での天体観察においては必須ではないですという回答となり、むしろ入門編としては自分の手で探すという楽しみをしっかりと味わってもらいたいという願いもあるので明確にNOとなります。

また、とらねこ天文台でも各社の自動導入装置を多用してはいますが、自動導入装置の苦手な対象やメーカーによっては初期セッティングが面倒(北に向けて、水平をしっかりとって設置して等)であることから、明るい対象(月や木星、土星等の惑星)の観察においては自動導入装置よりも手動で導入した方が早いということもあり、初心者の方が最初にみたい対象である月、惑星、明るい星雲/星団においては正直なところ手動で導入した方が気軽に楽しめます。

ただ、写真撮影となってくると別問題で、肉眼では探せないぐらい暗い天体や、人間の目では確認できない波長の光の星雲等もあることから、これは個人的な意見となりますが、自動導入装置はあった方がよいとなります。

IC434_2025/09/23

IC434_2025/09/23

※馬頭星雲などは人の目では確認しにくい波長の光なので、写真に撮ったら見えてくる天体となります。

とはいうものの、「はじめての望遠鏡の選び方」でオススメしたものの中に何故自動導入装置付きがないかというと、自動導入装置付きの望遠鏡は頑張れば手が届くといっても5万円以上の出費になり最初に購入するには敷居が高い金額になってしまうことと、まずは「天体を観察する=自分で探す」ことも含めて楽しみということもあり、最初のうちは肉眼での観察がメインなのか写真撮影がメインなのかも明確ではないと思いますので、安価な望遠鏡の中で慣れた上でステップアップするタイミングで自分が欲しい性能を持った望遠鏡を選択するのが正解だと考えているからです。

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