湘南の星空観察スポット
とらねこ天文台では、普段は二宮町の自宅ベランダを拠点に星空を楽しんでいますが、時には少し足を伸ばして、より視界の開けた場所から宇宙を見上げるのも、湘南で星空を楽しむ醍醐味の一つです。
観測地へ向かう時間も、天体観測の楽しみの一つ。海沿いや山道を走りながら、これから見る星空への期待が高まります。湘南エリアで比較的手軽に星空を楽しめる場所として、高台から広い空を見渡せる湘南平と、南側に相模湾が大きく広がる二宮町の梅沢海岸を紹介します。
目次
1.湘南平(高麗山公園)
2.梅沢海岸
3.湘南平と梅沢海岸、どちらがおすすめ?
4.湘南には、さまざまな星空の楽しみ方がある
1.湘南平(高麗山公園)
パノラマ夜景と星空を楽しめる高台
平塚市と大磯町の境に位置する湘南平(高麗山公園/こまやまこうえん)は、標高約180mの高台にあり、相模湾や周辺の山々を広く見渡せる湘南を代表する展望スポットです。駐車場は無料で24時間開放されており、夜景を楽しめる場所としても知られているため、星空だけでなく湘南の夜景と一緒に夜空を楽しめるのが特徴です。

観察のポイントと特徴
広い視野で星空を楽しめる
湘南平の大きな魅力は、高台ならではの広い視野です。周囲の低地よりも空を広く見渡しやすいため、月や明るい惑星はもちろん、流星群のように広い範囲の空を眺めたいときにも向いています。
ただし、展望場所から見える空が完全に360度開けているわけではありません。場所によっては樹木や施設などによる遮蔽もあるため、観察する天体に合わせて立ち位置を選ぶとよいでしょう。
光害との付き合い方
湘南平からは平塚市街や周辺地域の明かりが見えるため、都市部から離れた暗い観測地と比べると光害の影響がありますが、一方で明るい月や惑星、明るい星団などは十分に楽しむことができます。
双眼鏡を使えば、肉眼では見つけにくい星の集まりを探すなど、都市近郊ならではの星空観察を楽しむこともできます。
※湘南平のような都市近郊の観測地では、「なぜ星が見えにくいのか」を考えることも、星空観察の大切なテーマになります。光害について詳しく学びたい方は「湘南の光害と星空」「光害を考える」もご覧ください。
利便性も魅力
湘南平は車でアクセスしやすく、無料駐車場が24時間利用できる点は夜間の星空観察にとって大きなメリットですが、夜間は周囲が暗くなるため、移動時には懐中電灯やヘッドライトを用意しておくと安心です。
また、天体観測を行う際には、他の利用者の迷惑にならないよう、強い光を不用意に周囲へ向けないなどの配慮も大切です。
ワンポイントアドバイス
湘南平は平塚市、伊勢原市などの大きな都市が周辺に存在することから光害の影響は大きく郊外の真っ暗な星空とまではいきませんが、望遠鏡を出すスペースの確保等も容易に行えること、トイレや自販機等の設備もあり、夜間であっても夜景を眺めに来る人も多い観光スポットでもあることから、安全性も利便性もよく特に親子連れの場合は安心して星空観察ができます。
2.梅沢海岸
南の空が大きく開けた海辺の観測スポット
二宮町に位置する梅沢海岸は、相模湾に面しており、南側の空を広く見渡せるのが大きな特徴です。山や建物に遮られやすい場所では見つけにくい、南の低空に現れる天体を観察したいときに注目したい場所です。(運が良ければ天の川も確認できることがあります)

観察のポイントと特徴
南天の観察に向いている
海岸から南を向くと、その先には相模湾が広がっています。
そのため、南の低空に現れる天体を観察する際には、内陸側の観測地とは異なるメリットがあります。
例えば、夏にはさそり座やいて座付近の天の川を、冬には南の低空に姿を現すカノープスを狙うことができます。特にカノープスは南の低い位置に見えるため、地平線付近まで見通せるということが梅沢海岸の強みです。
海辺ならではの星空体験
波音を聞きながら星空を眺めることができるのは、海岸ならではの魅力ですが、海辺は天体望遠鏡やカメラなどの精密機器にとって厳しい環境でもあり、海塩粒子を含んだ潮風や夜露は、望遠鏡・カメラ・三脚などの機材に影響を与える可能性があります。
観測後は機材をそのまま収納せず、表面の水分や汚れを確認し、必要に応じて清掃・乾燥を行うなど、海辺ならではの機材ケアを心がけましょう。
→湘南の気候と天体観測~海辺の星空の魅力と、潮風から機材を守るケア方法~
アクセスと安全には注意
梅沢海岸は、湘南の海岸の中でも比較的身近に星空を楽しめる場所ですが、天体観測専用の施設ではありません。
車で訪れる場合は現地の案内や交通ルールを必ず確認し、特に夜間は足元が暗く、砂浜では足場も不安定になります。観測の際には、ヘッドライトや懐中電灯を準備し、海岸に近づきすぎないなど、安全を最優先にしてください。
また、海岸は一般の利用者も訪れる場所です。観測機材を広げる際には、通行の妨げにならないよう十分に配慮しましょう。
ワンポイントアドバイス
梅沢海岸は、夜間でも駐車場を解放してくれていますが、キャンプを行ってる方や近隣に住んでる方も多くいらっしゃいますので、夜間は騒がないように注意をし周辺の人たちに配慮しながら星空観察を楽しんでください。
駐車場の真横を西湘バイパスが存在することから、駐車場からの観察ではなく、駐車場から浜辺の方に歩いて西湘バイパスの橋げたを越えたところから、南の空を観察するのがオススメです。(運が良ければ天の川も確認することができます)
観察場所が砂浜となることから、機材も望遠鏡を設置してというよりは、双眼鏡で星空散歩を楽しんだり、星座を肉眼で探したり、簡易的な一眼レフ/ミラーレス+軽量な三脚程度の機材で撮影を楽しむのが、砂浜での星空観察はオススメです。
※重量のある望遠鏡では砂地では三脚が沈み込んでしまい不安定な状態となりますので転倒等のリスクも大きくなります。
駐車場も海に面しているので、梅沢海岸に訪れたあとは速やかに車の下回り洗車を行うことをオススメします。(放置すると車の下回りは錆びやすいので帰り際に洗車するぐらいの勢いの方が安心です。)
3.湘南平と梅沢海岸、どちらがおすすめ?
同じ湘南でも、2つの場所では星空の楽しみ方が大きく異なります。
湘南平は「広い空を気軽に楽しみたい人」におすすめ。
高台から広い範囲の空を見渡せるため、月・惑星・明るい星団・流星群など、初心者でも楽しみやすい天体観察に向いています。
梅沢海岸は「南の空をじっくり見たい人」におすすめ。
相模湾に向かって南側が開けているため、さそり座やいて座、カノープスなど、南の低空に見える天体を狙う際に魅力があります。
※どちらも本格的な天文台や専用の観測施設ではありませんので、訪れる際には、天候だけでなく、周囲の利用者への配慮、交通ルール、夜間の安全にも十分注意しましょう。
4.湘南には、さまざまな星空の楽しみ方がある
湘南の星空の魅力は、真っ暗な場所で星を見ることだけではありません。
街の明かりがある高台から星空と夜景を一緒に楽しむ方法もあれば、海辺で南の空を眺める方法もあります。そして、とらねこ天文台のように、自宅のベランダから日常の中で星空を楽しむ方法もあります。
ただ一つだけ確かなことは、遠くまで行かなければ星は見えないわけではありません。
その日の天候や月の明るさ、観察したい天体に合わせて場所を選ぶことで、湘南でもさまざまな宇宙の姿に出会うことができます。湘南平と梅沢海岸とそれぞれ異なる魅力を持つ2つの場所から、湘南の夜空を楽しんでみてはいかがでしょうか。