シャルル・メシエと彗星探索(すいせいたんさく)

夜空に浮かぶ美しい星雲(せいうん)や星団(せいだん)、そしてはるか彼方(かなた)の銀河(ぎんが)。これらの天体の中には、シャルル・メシエが作成したカタログに収録(しゅうろく)され、M42、M31のような番号が付けられているものがあります。この「M」は、18世紀のフランスの天文学者、シャルル・メシエ(Charles Messier)の頭文字(かしらもじ)を表しています。
メシエは生涯(しょうがい)を通じて彗星(すいせい)の発見(はっけん)に情熱(じょうねつ)を注いだ彗星探索者(すいせいたんさくしゃ)でした。当時の望遠鏡(ぼうえんきょう)では、彗星はぼんやりとした雲のように見えました。しかし夜空には、彗星と同じようにぼんやりと見えるものの、短い期間ではほとんど位置を変えない天体(星雲や星団など)が無数に存在します。


紛らわしい(まぎらわしい)天体のカタログ

新彗星を探すメシエにとって、これらの動かない天体は非常に紛らわしく、探索の妨げになる厄介(やっかい)な存在(そんざい)でした。そこで彼は、彗星と間違えないようにするために、これらの天体の位置と特徴(とくちょう)を記録(きろく)し、リスト化することにしました。これがメシエ天体カタログの始まりです。
彗星との混同(こんどう)を避けるための、いわば除外(じょがい)リストとして作られたこの天体カタログは、結果として夜空で比較的明るく、美しく、観測(かんそく)しやすいディープスカイ天体の素晴らしい(すばらしい)コレクションとなりました。メシエが残したこのリストは、現在でも世界中の天文ファンに愛され続けています。


図鑑に登場する多様な天体たち

メシエカタログには、宇宙(うちゅう)の様々な姿が収められています。本図鑑で紹介する主な種類は以下の通りです。

【散開星団】(さんかいせいだん)

比較的若い星がまばらに集まった天体です。春に見られるかに座のプレセペ星団(M44)や、冬のおうし座のプレアデス星団(M45)などが有名です。

M45_2025/11/29

【球状星団】(きゅうじょうせいだん)

数万〜数百万個の古い星が球状に密集(みっしゅう)したものです。夏に見頃を迎えるいて座大球状星団(M22)などが有名です。

M22_2025/07/20

【散光星雲】(さんこうせいうん)

星の光などによってガスが輝いて見える星雲で、冬のオリオン大星雲(M42)がその代表格(だいひょうかく)です。

M42_20251107_01

【惑星状星雲】(わくせいじょうせいうん)

年老いた星が放出したガスが光る天体です。春のおおぐま座にあるふくろう星雲(M97)等が含まれます。

M97_2025/12/27

【銀河(渦巻銀河・楕円銀河など)】(ぎんが(うずまきぎんが・だえんぎんがなど))

秋の夜空に輝く(かがやく)アンドロメダ銀河(M31)や、春のボーデの銀河(M81)など、太陽系(たいようけい)が属する(ぞくする)天の川銀河(あまのがわぎんが)の外にある、たくさんの星やガスなどからなる巨大な天体です。

M31(アンドロメダ銀河)_2026/08/05

本図鑑『とらねこ天文台 メシエ天体図鑑』では、これら個性豊かなメシエ天体たちの魅力を、季節ごと、天体の種類ごとに余す(あます)ところなくご紹介していきます。メシエが夜空に見上げた星の雲の正体を、ぜひこの図鑑と共に解き明かしていきましょう。


メシエ天体図鑑の「⑤メシエ天体とは?(歴史)」の下書きページとなります。製本編集時に装飾などは再編します。