昼間は太陽が照り付けて、夜間は雨や曇りで星空が殆どみえない日が続いていますが、それならば太陽を観察しようということで、久しぶりに太陽の撮影を行いましたので、本日は、この写真から、どのようなことが分かるのか「1.周辺減光」「2.黒点」の2点に絞って説明を行いますので注目してみてください。

1.周辺減光
【注目ポイント】
太陽の中心部分が最も明るく、縁(輪郭)に近づくにつれてわずかに暗くなっています。これは厚みのある太陽の大気を斜めから見る形になるため、縁の方が暗く見える周辺減光と呼ばれる現象がはっきりと分かります。
【分かること】
(ア)太陽が「球体」であること。
もし太陽が自ら発光する平らな円盤であれば、全体が均一な明るさに見えるはずですが、写真で見ると縁に向かって徐々に暗くなるという見え方の違いがあるということから、太陽が立体的な球であるという証明になります。
(イ)太陽が固体の表面ではなく「ガス(大気)」の層であること。
月や地球のような固体の表面を持つ天体であれば、このような周辺減光は起こりません。太陽全体が透き通ったガスの層(光球)で形成されているからこそ起きる現象です。
(ウ)太陽の表面(光球)は、奥深くほど熱く、外側にいくほど温度が低いこと(温度勾配)。
これが周辺減光から分かる最も重要なポイントとなり、中心を見ると、ガスの層の深い部分(より高温で明るい部分)まで真っ直ぐ観察者に届きます。縁(輪郭)を見ると、観察者の視線から斜めに入るため、ガスの層の浅い部分(比較的低温で暗い部分)までしか観察者からは見通すことができません。
温度が低いガスほど放つ光も弱くなるため、縁のほうが暗く見えます。つまり、周辺減光は太陽の大気に温度の層(グラデーション)があることを視覚的に証明しているということになります。
2.太陽黒点
【注目ポイント】
・黒点の分布: 黒点が単独ではなく、いくつかのグループ(黒点群)に分かれて複数存在している様子が分かります。
【分かること】
黒点の数からは、主に太陽活動の活発さを推測することができます。黒点が多いか少ないかを判断する目安には、世界共通の指標である相対黒点数(ウォルフ黒点相対数)という数値が使われます。(難しい話になるので細かな計算式は後日別途説明をします)これは、単に黒点を1個、2個と数えるのではなく、黒点の群(グループ)を重視して計算される仕組みとなります。
この写真からは、少なくとも2〜3の黒点群と、いくつかの個別の黒点がはっきりと確認できます。相対黒点数(ウォルフ黒点相対数)で計算すると相対黒点数は数十〜それ以上になるため、黒点が少ない時期(極小期)ではなく、ある程度活動が活発な時期に撮影されたものだということが分かります。太陽活動の周期では2024年から2025年にかけて極大期(活動が活発な時期)を迎え、現在は活動のピークを越えて徐々に落ち着いていく下降期に入りつつあるということになります。
(用語説明)
太陽黒点・・・太陽の表面に、いくつかの黒い点が確認できます。これは黒点と呼ばれるもので、強い磁場の影響で周囲よりも温度が低くなっている(約4000度。周囲は約6000度)ために黒く見えています。
このように太陽の写真を1枚見てみても、細かく説明していくと様々な情報が入っているということが分かります。このように、画像から得られるものを纏めて、日々の違い、月単位の違い、年単位での違いを観察すると、もっと様々なことが分かってくるものです。
【太陽を観察する場合は、注意して観察してください】
・肉眼、双眼鏡、望遠鏡を問わず、太陽を直接見ることは失明の危険があるので絶対に避けてください。
・子どもたちが誤って太陽の方向を見ないよう、機材の保管や設置向きには常に大人が目を配ってください。