夜空を明るく照らして星を見えにくくしてしまう「光害(ひかりがい)」については、これまでもお話ししてきました。しかし今、世界中の天文学者たちが心配している「もうひとつの新しい光害」があるのをご存知でしょうか?

それは、宇宙を飛ぶ「人工衛星」による光害です

現在、世界中のどこでもインターネットが使えるようにするため、数万機もの小さな人工衛星を打ち上げる計画(メガコンステレーション)が進んでいます。これにより、空には数え切れないほどの人工衛星が飛ぶようになりました

■ なぜ人工衛星が星空の邪魔になるの? 人工衛星の金属のボディや太陽光パネルは、太陽の光を反射してキラキラと光ります。 国立天文台の「すばる望遠鏡」などでも、撮影した画像の多くに衛星の線が写り込むようになっています。これにより、宇宙の謎を解明する研究や、地球にぶつかるかもしれない危険な小惑星を見つけるための観測に支障が出ることが心配されています

実は、とらねこ天文台でも天体撮影中に人工衛星や航空機の光が入ってしまい、結果として撮り直しを余儀なくされることが頻繁に発生しています

■ 便利さと美しい星空の「共存」を目指して しかし、人工衛星のおかげで、災害の時でも通信ができたり、生活が便利になったりしているのも事実です。人工衛星を単なる「悪者」にするのではなく、「どうすれば星空と便利な生活が共存できるか」を考えることが大切です

人工衛星の会社も対策を始めており、本体を黒く塗って光を反射しにくくした「ダークサット」や、日よけをつけた「バイザーサット」の開発など、星空を守るための工夫が少しずつ進んでいます

■ 【無料配布】学習用テキスト&ワークシート

とらねこ天文台では、この新しい環境問題についてご家庭で一緒に考え、学べる無償教材をご用意しました。以下のリンクからダウンロードしてご活用ください。

光害を考える

■ 実際に人工衛星を探してみよう! 晴れた日の夕方や明け方には、空をスーッと静かに動く人工衛星の光を肉眼で見つけることができます。飛行機のようにチカチカ点滅しないのが特徴です

ぜひスマートフォンアプリや観測予測サイト(JAXAの「#きぼうを見よう」など)を活用して、空を見上げてみてください。そして観察のあとは、「世界中どこでもインターネットが使える便利さ」と「美しい星空や宇宙の研究を守ること」をどう両立させるか、ワークシートを使ってご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか

とらねこ天文台は、これからも皆さんの星空探究を応援しています!