オールトの雲(Oort cloud)とは、太陽系を球殻状(ボールのような形)にすっぽりと取り囲んでいると考えられている、巨大な氷の天体群のことで太陽系の最果ての国境とも言える領域であり、ハレー彗星などに代表される長周期彗星(太陽を一周するのに長い年月がかかる彗星)の故郷だと考えられています。

OortCloud
OortCloud

①とてつもない距離と広がり
太陽から約2,000〜10万 天文単位(AU)の距離に広がっているとされています。
※1AUは地球から太陽までの距離(約1.5億km)となります。
②何でできている?
主に水、アンモニア、メタンなどの「氷」でできた、数キロメートルサイズの無数の小天体が漂っています。
これらが何らかのきっかけで太陽の重力に引かれて内側へ落ちてくると、私たちが夜空で見る彗星となると考えられています。
③どうやってできた?
約46億年前、太陽系が誕生した際の星の材料の余りと考えられています。

【直接観測されたことはない】
オールトの雲はあまりにも遠く、太陽の光もほとんど届かない暗黒の世界にあるため、現在のいかなる高性能な望遠鏡を使っても直接見ることはできません。しかし、あらゆる方向から太陽系へ飛んでくる彗星の軌道を逆算すると「この距離に無数の氷の天体が待機している巨大な層があるはずだ」という結論に至るため、その存在は天文学の世界で広く支持されており、現時点では理論上の領域であるとされています。

天文学の中には概念的なものや、理論上では存在するものの、実際に見て確認することは困難といったテーマも多く存在します。この現時点では実際には観察が出来ないものの存在が、いつの日か確認できるような技術の革新が起きるのも天文学の面白いところで、未知の存在を証明するというロマンににもつながっており、太古から人々を魅了してきた要因のひとつかもしれません。