光害(ひかりがい)は、人工的な光が本来の目的を超えて漏れ出し、周囲の環境や人間社会に悪影響を及ぼす現象を指します。
生活の中で、発生してしまう身近な公害のひとつですが、町中に住んでいると明るいことが当たり前のように感じ見過ごされがちな公害です。
天体観察においては、大きな影響を与えるものですので、まず基礎知識として光害について、影響と原因、対策についてを纏めました。
1. 光害の影響
〇過剰な光は、自然界と人間の健康にさまざまな弊害をもたらします。
①生態系への影響: 夜行性動物の行動異常(鳥の渡りの混乱、ウミガメの孵化への支障)や、植物の開花時期のズレなどが報告されています。
②健康被害: 夜間の強い光は体内時計を狂わせ、睡眠障害やホルモンバランスの乱れを引き起こします。
③天体観測への妨害: 空が明るくなることで星が見えにくくなり、天文学の研究や夜空を楽しむ機会が奪われます。
※これが町中では星がみえないと言われる要因となっています。
④エネルギーの無駄: 本来照らす必要のない空や周囲を照らすことは、電気エネルギーの浪費に直結します。
2. 光害の原因
〇主に照明設備の不適切な設置や管理が原因です。
①漏れ光: 照明の光が、照らしたい対象物以外に大きく漏れている状態。
②過剰な明るさ: 必要以上に強い光量を使用していること。
③不要な照明: 深夜の商業施設や看板など、人の往来が少ない時間帯でも点灯し続けていること。
④光の向き: 下向きではなく、横や上に向かって直接光が漏れるような設計の照明器具。
3. 光害の対策
〇必要な場所を、必要な時に、必要な分だけ照らす
①遮光・適切な設計: 照明器具にカバーを付け、光を照らしたい場所だけに集中させる。
②スマートコントロール: 人感センサーやタイマーを活用し、人がいない時は消灯・減光する。
③適切な色温度: ブルーライトを多く含む白い光は光害の影響が大きいため、暖色系の光を採用する。
④光害防止条例: 自治体レベルでの規制や、事業者による「照明の消灯時間」の徹底などのルール作り。
【光害の影響を受けている天体写真例】
このように光害エリアでの天体観察では、星だけではなくて周囲の空も白くなってきますので、淡い天体を観察する場合、空の光と星の光が一緒になってしまい眼視、撮影の大きな妨げになることがあります。
