メシエ天体の中には、カタログ上の「光度(等級)」が明るくても、面積が広いために単位面積あたりの明るさ(表面輝度)が低かったり、周囲の環境に影響されたりして眼視観察において難易度が高いとされるメシエ天体ベスト5をご紹介します。
5位:M98(かみのけ座 / 渦巻銀河)
おとめ座銀河団周辺に位置する銀河で銀河を真横から見る「エッジオン銀河」です。 視直径は9.8′ × 2.8’と細長く、全体の光度(10.1等)が限られた細い領域に集まっているはずですが、それでも非常に淡い光芒です。空の条件が悪いと、中心のわずかに明るい核(バルジ)すら見えず、細長い円盤の存在を眼視で捉えることが困難な天体となります。
4位:M76(ペルセウス座 / 惑星状星雲)
「小あれい星雲 (Little Dumbbell Nebula)」の愛称で知られる惑星状星雲です。表面輝度自体は比較的高いのですが、視直径が非常に小さいことがネックになります。視直径がわずか2.7′ × 1.8’程度しかないため、低倍率のファインダーや小口径の望遠鏡で広範囲を見渡している段階では、ただの暗い恒星にしか見えません。
3位:M91(かみのけ座 / 棒渦巻銀河)
メシエが記録した「おとめ座銀河団」の密集地帯の中で、最も見つけるのが難しいとされる天体の一つです。視等級が10.2等とメシエ天体の中でもトップクラスに暗く、さらに視直径に対する表面輝度も低いです。周囲に多数の銀河がひしめき合っているため、導入時に見失いやすい難しさも伴います。
2位:M109(おおぐま座 / 棒渦巻銀河)
北斗七星のひしゃくの底にあたる星「フェクダ(おおぐま座ガンマ星、2.4等)」のすぐそば(約40分角)に位置しています。銀河自体の表面輝度が低いうえに、視野内に強烈に明るいフェクダが入ってくるため、その光の拡散によって淡い銀河の光芒がかき消されてしまいます。
1位:M74(うお座 / 渦巻銀河)
世界中の天文愛好家から「最も眼視が難しいメシエ天体」として挙げられるのがM74です。カタログ上のカタログ等級は9.4等と決して暗すぎないように思えますが、銀河の円盤を真正面から見る「フェイスオン銀河」であるため、光が広い視直径全体に分散してしまいます。表面輝度が極端に低く、少しでも光害があったり空の透明度が低かったりすると、小口径望遠鏡では背景の夜空に完全に溶け込んでしまいます。
