M71を紹介した際に密度が低い球状星団として紹介しましたが、メシエ球状星団の中で、もっとも集中度(密度指標)が高いのはM75、もっとも低いのはM71とされており今回はその比較を行いたいと思います。最初に簡単に両者の比較表を作ってみました。
| 性質 | M75 | M71 |
|---|---|---|
| 星座 | いて座 | や座 |
| 種類 | 球状星団 | 球状星団(以前は散開とされたことも) |
| 集中度クラス | 1(最も高集中) | g(極めてまばら) |
| 見える印象 | 強い中心核+周辺に粒状 | 全体にザラついた星の集まり |
| 解像のしやすさ | 核は解像しにくい、外縁は解像 | 全体が比較的解像しやすい |
| 「球状星団らしさ」 | コアの存在感が非常に強い | 球状と散開の中間的な印象 |

M71_2026/04/09
球状星団の密度の違いは、「生まれたときの条件」と「数十億年かけたその後の重力進化・環境」の両方で決まります。もともと非常に高密度な巨大ガス雲から一気に星が生まれた結果として球状星団として形成されたと考えられており、ガス雲の密度が通常より数倍以上高いと、電離ガスが吹き飛ばす力よりも星々の自己重力が勝ち、星がほどけずに「密な星団」となります。初期状態として「かなりギュッとした星団」と「やや緩めの星団」が生まれ分かれていたと考えられています。また、同じ初期条件から出発しても、ある星団は強い中心集中を持つようになり、別の星団はより緩い構造を保つことがあることや、球状星団は銀河全体の重力場の中を公転しているので、その軌道や位置も密度に影響するということまでが原因となり、球状星団と一言にいっても集中度(密度)が大きく変わってしまいます。
観察する際には難しい知識は必要はありませんが、このように天体の個々の成り立ちを知ったうえで観察をすると、綺麗だなという感想以外にも、宇宙で起きている壮絶な変化を感じることが出来るのではないかと思います。

