メシエ天体で一番小さな天体は?

前回「一番大きい」という定義と同様で、地球から見たときの「見かけの大きさ」と、宇宙空間での実際の「物理的な大きさ」の2通りがあります。おさらいのために各説明を行います。

見かけの大きさ:ある物体が私たちの目に対してどれだけの角度を占めているかを示す指標で、天文学では「視直径(しちょっけい)」とも呼ばれます。これは、実際のサイズがどれほど巨大であっても、距離が遠ければ見かけの大きさは小さくなります。逆に、小さなものでも目の前にあれば大きく見えます。
物理的な大きさ:観測者からの距離に関係なく、その物体そのものが持つ「実際の寸法」のことです。天文学の世界では、kmでは桁が足りなくなるため、距離の単位をそのまま大きさの尺度として使います。

その前提条件の上で、「見かけの大きさ」と「物理的な大きさ」の2つの観点で今回は一番小さな天体を紹介します。

1.見かけの大きさが一番小さな天体
地球から見て最も小さく見えるのは、M40(おおぐま座の二重星)です。
サイズ:約50″(秒)= 約0.014°
解説:メシエ天体の中で唯一の「二重星」です。シャルル・メシエが星雲と見間違えてカタログに載せたと言われており、広がりを持つ天体ではないため、実質的に最小となります。

2.物理的に一番小さな天体
宇宙空間での実際の大きさが最も小さいのは、惑星状星雲のグループです。その中でもM76(小アレイ状星雲)やM57(環状星雲)が最小を競います。
サイズ: 直径 約1光年 〜 3光年
解説: 惑星状星雲は、太陽のような恒星が一生の終わりに放出したガスであるため、銀河(数万〜数十万光年)や散開星団(数十光年)に比べると、桁違いに小さな存在です。

M76_2025/07/22

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M57_2025/07/21

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