メシエ天体で一番大きな天体は?

まず「一番大きい」という定義には、地球から見たときの「見かけの大きさ」と、宇宙空間での実際の「物理的な大きさ」の2通りがあります。

見かけの大きさ:ある物体が私たちの目に対してどれだけの角度を占めているかを示す指標で、天文学では「視直径(しちょっけい)」とも呼ばれます。これは、実際のサイズがどれほど巨大であっても、距離が遠ければ見かけの大きさは小さくなります。逆に、小さなものでも目の前にあれば大きく見えます。
物理的な大きさ:観測者からの距離に関係なく、その物体そのものが持つ「実際の寸法」のことです。天文学の世界では、kmでは桁が足りなくなるため、距離の単位をそのまま大きさの尺度として使います。

その前提条件の上で、「見かけの大きさ」と「物理的な大きさ」の2つの観点で一番大きな天体は以下の通りとなります。

1.見かけの大きさが一番大きな天体
地球から見て最も空を占有しているのは、M31(アンドロメダ銀河)です。
サイズ: 約 3.2°x1.0°
解説: 満月の直径が約 0.5°なので、長辺方向には満月6個分以上という圧倒的な大きさです。暗い場所なら肉眼でもぼんやり見えますが、その巨大さゆえに望遠鏡の倍率を上げすぎると全体像がはみ出してしまいます。

M31_2025/08/21

M31_2025/08/21

2.物理的に一番大きな天体
メシエ天体での実際のスケールが最も大きいのは、M87(おとめ座A)です。
サイズ: 直径は約12万光年(中心部)〜 100万光年以上(ハローを含む)
解説: おとめ座銀河団の中心にある超巨大楕円銀河です。天の川銀河を遥かに凌ぐ質量と規模を持ち、中心には史上初めて撮影された巨大ブラックホールが存在することでも有名です。物理的な「ボリューム」で言えば、メシエ天体の中では右に出るものはいません。

M87_2026/03/23

M87_2026/03/23

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